「あたし、先に戻ってるから」
羽山さんは気まずそうに私から目をそらすと、みんながいる部屋の方へと早足で歩いて行った。
「羽山さんも、悪い人じゃないんだけどねぇ。思い込んだらズバズバ言っちゃうところがあるんだよ。それにしても、月城さんもちょっとは言い返した方がいいよー?ああいうタイプは、ガツンと言ったら黙るから。波風立てたくないのはわかるけどカン違いされたままってのも良くないし、それで余計に話がこじれるってこともあるから」
腰に手を当てながら、私に人差し指を突き立てる加川さん。
細くて華奢な指先が、まっすぐに私に向けられている。
「あ……うん。そうだね」
そ、それにしても、加川さんってよくしゃべる。
こんなにしゃべる人だったなんて思ってなかったよ。
「あ、ごめん。少し黙れって思った?あたし、こういうことを黙って見過ごせないタイプでさー!余計なことに首突っ込んでくから、色んな人に煙たがられるんだよね。気を悪くさせちゃったんなら謝るよ。ごめんね」
「そんなっ、滅相もない……!黙れだなんて思ってないよ!ただ、よくしゃべるなぁと思って」
「あはは、よく言われるー!それで、毎回彼氏にも黙れって言われちゃうんだ。まぁ、そう言われても黙らないから、いっつもケンカしちゃうんだけどね」
加川さんは、頭を掻きながら可愛くニコッと微笑んだ。
金色の髪がよく似合っている派手な女の子。
見た目と違ってまっすぐで、芯の強い子なんだと思った。



