ねぇ、待って。
待ってよ、れお。
「待ってってば!」
廊下を曲がって階段に差し掛かったところで、やっとれおに追いついた。
勢いよくその腕を掴むと、れおがビックリしたように後ろを振り返る。
「しず?」
「待ってって言ってるのに。れおの……バカ」
「…………」
「話があるの」
「なに……?」
「ここじゃ、ちょっと。中庭に行かない?」
外を指差しながら言うと、れおは小さく頷いた。
私の姿を見るといつもは笑ってくれるのに、れおの表情はやけに真剣で。
また突き放されるかもしれないと思うとすごく怖かったけど、逃げたくはなかった。
3月といえど外の気温は低くて、日影に入ると思わず身震いしてしまうほど風が冷たい。
日向のベンチに並んで腰掛け、れおの右耳に唇を寄せる。
「誕生日の日に……好きだって言ってくれたでしょ?あれね、すごく嬉しかったんだ」
「…………」
「私も……れおが好きだよ。小さい頃から、ずっとずっと好きだった。ずっと、れおしか見えてなかったよ」
ドキドキと鼓動が高鳴る。
自分の気持ちを相手に伝えるのって、すごく勇気がいる。
今さらながら、それを思い知った。



