いつだってれおは余裕があって落ち着いている。


怒ったところなんて、見たことがない。


どんなにツラくても、どんなに悲しくても、れおは決して私に弱音を吐こうとはしなかった。


ツラさや悲しみを隠して、笑っているような人なんだ。


温厚でちょっと人見知りだけど、いつだって優しいそんなキミ。


ねぇ……大好きだよ。



「しず、ほら。流れ星」


「わ、ほんとだ!」



夜空に星が流れた。


一瞬だったけど、確かに見えた。


流れ星なんてめったに見れるもんじゃないから、嬉しくて思わず頬がゆるむ。


ふと隣を見ると、れおも頬をゆるめながら夜空を見上げていた。


なんだかそれだけで、ちょっと嬉しい。



れお。


れおはこの時、流れ星に何を願った?


2人でこうしていられるだけで、幸せな気持ちで満たされる。


幼なじみっていう絆があれば、それだけで十分だ。


れおのそばにいられるなら、それ以上の関係なんて望まない。



ずっとずっと、れおとこうやって一緒にいられますように。



夏休み最後の夜。


私は、すでに消えてしまった流れ星に強くそう願った。