「れお!」
教室に入ってすぐ、2週間空席だった場所にれおが座っていることに気が付いた。
れおだ。
れおがいる。
自分の席に行くよりも先に、れおの元へ慌てて駆け寄る。
最後に会った日から何も変わらないれおの後ろ姿に、胸が締め付けられた。
なんだかすごく懐かしい気がする。
「おはよう、れお!」
れおの席の前に回り込み、バンッと勢いよく机に手をつく。
ビックリしたのか、れおの体がビクッと跳ねた。
「朝からビックリさせんなよ。久しぶり、しず」
「ごめん、れお……でも」
ずっと、ずっと逢いたかったから。
寂しかったんだよ。
れおにもらった香水の小瓶とネックレスを握り締めて、寂しさを紛らわせていたんだ。
「なに泣きそうな顔してんだよ。大げさだな、しずは」
れおは2週間前と変わらない笑顔で、クスクス笑っている。
そんなことにさえ感激して、涙が出そうになった。
よかった。
私の不安は取り越し苦労だったんだ。
れおに逢って笑顔を見た瞬間、不安な気持ちは一気に吹き飛んだ。
それよりも何よりも、こうして逢えたことがすごく嬉しい。
れおの笑顔さえあれば、他に何もいらない。
「れお、私ね!明倫学園の推薦に合格したんだ。れおは?」
「ごめん、今日は補聴器付けてないんだ。話す時は紙に書いてくれると助かる」
「あ、そうなんだ。わかった」
でも、珍しいな。
学校に来る時や外に出る時は必ず付けてるのに。
今日は忘れちゃったの?



