「お前なぁ」
振り返ると、息を切らした大雅が目の前に立っていた。
しかし、なんだか呆れている様子。
「なんでいるの?」
帰ったはずじゃ……?
「それはこっちのセリフだっつーの。いくらなんでも、こんな時間まで待つバカがいるかよ」
「悪かったね、バカで。大雅こそ、なんでまた来たの?勉強しなきゃダメじゃん。それに、夜は冷えるんだから風邪引いたらどうするの?」
「お前は俺のオカンか!」
「はぁ?」
「あんま心配させんなよ。怜音が俺に連絡して来たんだぞ?」
「え?」
どういうこと?
月明かりに照らされた大雅の顔は、ビックリするほど真剣そのもの。
私はそんな大雅に食い下がった。
「ねぇ、れおが連絡して来たってどういうこと?」
「電話が来て、しずがまだ家の前にいるからどうにかしてくれって」
「え?」
どういう、こと?
れおは今病院にいるんだよね?
もう帰って来てるってこと?
だったら、なんで声をかけてくれないの?
「あいつ、部屋にいるんじゃねーの?窓からお前の姿が見えるっつってた」
ますますわけがわからなかった。
部屋にいる?
病院に行っていたというのはウソだったの?
補聴器の電池交換に行ってたんだよね?



