花奈 ~15日生きた君へ~


「よっ」

驚きすぎて言葉が出てこない私に、良平が軽いノリであいさつしてくる。

「えっちょっと待って。良平、なんで??」

全く状況が読めない私が尋ねると。

「なんでって、転校してきた」

良平があっけらかんと言い放つ。
その言葉に私は絶句した。

「ウソでしょ!?どういうこと!?そんな話全然してなかったよね??」
「うん」
「引っ越したの?」
「引っ越してない」
「じゃあなんで!?」

質問攻めする私を見て、良平はあきれたように笑いながら、

「細かいことはいいだろ。これ以上の質問は受け付けないからな。クラス違うけどこれからよろしくな」

とだけ言った。

「う、うん……」

私もそう返事をするしかなかった。