花奈 ~15日生きた君へ~


「花代……今の子って彼氏?」

大斗がいなくなると、花奈がすぐそう聞いてきた。

「うん。最近付き合ったばっかりだからまだ紹介できてなかったの。言ってなくてごめん」
「ううん、それはいいよ」

まさかこんな形で紹介することになると思わなかったから、事情を話して謝った。
別に気にしてないよって感じで、花奈はそう言ってから。

「それよりも、あたしが気になったのは花代のことだよ……花代、もしかして学校でずっと辛い思いしてたの?」

その言葉に続けて、心配そうに私に問いかけてきた。

「うん……大斗のおかげで、ちょっとはマシになったけど」

今までのことがウソだってバレて気まずくなった私は、うつむきながらそう答えた。

「学校は楽しいとしか聞いてなかったから、正直ビックリしたよ」
「そうだよね、ごめん……自分を良く見せてないと不安で、言えなかった」
「花代の気持ちも分かるけど、あたしたちの前ではそんなふうに思わなくていいんだよ?」

花奈のその言葉に、私の心はふわっと持ち上げられて軽くなった。