「花代……今の子って彼氏?」
大斗がいなくなると、花奈がすぐそう聞いてきた。
「うん。最近付き合ったばっかりだからまだ紹介できてなかったの。言ってなくてごめん」
「ううん、それはいいよ」
まさかこんな形で紹介することになると思わなかったから、事情を話して謝った。
別に気にしてないよって感じで、花奈はそう言ってから。
「それよりも、あたしが気になったのは花代のことだよ……花代、もしかして学校でずっと辛い思いしてたの?」
その言葉に続けて、心配そうに私に問いかけてきた。
「うん……大斗のおかげで、ちょっとはマシになったけど」
今までのことがウソだってバレて気まずくなった私は、うつむきながらそう答えた。
「学校は楽しいとしか聞いてなかったから、正直ビックリしたよ」
「そうだよね、ごめん……自分を良く見せてないと不安で、言えなかった」
「花代の気持ちも分かるけど、あたしたちの前ではそんなふうに思わなくていいんだよ?」
花奈のその言葉に、私の心はふわっと持ち上げられて軽くなった。

