花奈 ~15日生きた君へ~


そうして数日経ったある日の夜。
私はストレスで体調を崩し、また喘息の発作を起こしてしまった。
夜に救急外来に行ってそのまま入院になった。

発作が起きるとすごく苦しいけど……これで何日かは学校のことも大斗のことも考えなくていい。
そう思うと安心感に包まれた。

入院2日目の朝になると、会話できるくらいまで回復した私はすぐに花奈に電話をかけた。

「もしもし花代?」

電話越しの花奈の明るい声に、私も少し元気を取り戻す。

「花奈ー、私また入院しちゃったよ」
「えっウソ!じゃあ今病院なの?」
「うん、昨日の夜から」

私はいつもの明るい口調で、入院してることを花奈に伝えた。

「じゃあ今日お見舞い行こうか?」

すると花奈がそう言ってくれる。
私も、花奈と笑って話して嫌なこと全部忘れたい気分。

「うん、来てほしい」
「分かった!夕方になるけどいい?」
「いいよ」
「分かった!じゃあ夕方ね~」

私と花奈はそう言って電話を終えた。