「花代早く上がって!お母さんも待ってるから!」
驚いて突っ立ったままになってた私の背中を花奈が押す。
"お母さん"
その単語が私の心に引っかかった。
っていうか、わけが分からなくなった。
私のお母さんは離婚してから、この実家に帰ってきて住んでるものなんだとずっと思ってた。
だけどもしかしたら今は引っ越して、別の場所に住んでるのかもしれない。
だとしたらここにお母さんはいないし、花奈のお母さんは私が知ってる人じゃない。
だけど私はここに来て、花奈のことも気になり始めた。
花奈って名前は、死んだ私の姉と同じ。
誕生日と年齢まで同じ。
名字も私の母の旧姓だ。
花奈と出会った時から今まで、私はそれがただの偶然だと思っていた。
だけど今この瞬間、ただの偶然ではないように思えてきた。
ねぇ、花奈は誰なの?
花奈のお母さんは誰なの?
どうして私をここに連れて来たの?
花奈は……私の何なの?
色んな疑問を抱えながら、私は花奈に促され家に上がった。

