花奈 ~15日生きた君へ~


「そんなに電話するくらいならさぁ、もうウチに遊びにおいでよ」

直後に花奈の口から出た言葉は、冗談なのか本気なのか分からないものだった。

「えっ、遊びに行ってもいいの?」

本気であってほしいと思った私は、真剣な口調になってそう聞き返す。

「うん。そろそろ久しぶりに会おうよ」

花奈がそう答える。
ってことは、どうやらこの言葉は本気らしい。
本気にしていいらしい。

「やった!花奈と会えるの?いつ行けばいい??」

嬉しくなった私は、まるで彼からデートに誘われた女の子みたいな声でそう聞き返した。
こんな声何年ぶりに出したんだろう。

「今週の土日とか?雪降る前のほうがいいよね?」
「そうだね!私部活もやってないし、土日どっちでもいいよ!」
「じゃあ土曜日にしよっか。1日でも早いほうがいいよね」
「うん!」

そんなわけで、私は土曜日に花奈の家に遊びに行くことになった。
急でビックリしたけど、こんなふうに予定決まるの、仲良しって感じがしてすごくいい。
遊ぶって決まった瞬間から、私は土曜日が待ち遠しくて仕方なかった。