花奈 ～１５日生きた君へ～

矛盾空間

それからも私と花奈ちゃんは頻繁に連絡を取り合った。
退院から２週間経つころには、お互いを呼び捨てで呼び合うほど打ち解けた。

そうして１２月になったばかりのある日。
私は学校が終わるとまっすぐ家に帰り、いつものように花奈に電話をかけた。

「もしもーし、花奈？」
「あっ花代だ～！」

花奈がいつも通りの明るい口調で電話に出る。

「も～あたしにばっか電話して大丈夫なの～？学校の友達とも仲良くしなきゃダメでしょ！」

何を話し出すかと思えば、花奈はいきなり私にそう指摘してきた。
ちなみに私は、学校に友達が１人もいないことをまだ花奈に言えてない。

「いいのー！学校の子とは毎日会えるけど、花奈とは会えないもん」
「そうだけどさ」

花奈は半分呆れた様子だ。
２日に１回くらいの頻度で電話してたらそうなるか。