花奈 ~15日生きた君へ~

私と花奈ちゃんはその日以降もお互いのベッドを行き来して、たくさん話したり遊んだりした。
私が入院して3日目の今日も、昨日までと同じように過ごしてた。

「ねぇ花代ちゃん」

朝ご飯を食べ終わり、看護師さんの朝の回診も終わった午前7時半。
花奈ちゃんが私のベッドまで来て声をかけてくれた。

「思ったんだけどさ、花代ちゃんの家族ってお見舞い来ないよね」

今日はどんな話をするのかなと思ってたら、花奈ちゃんが切り出したのはそんな話題だった。
そしてそう言われて初めて、私も疑問に思ったことが1つある。

「そういえば、花奈ちゃんも誰も来ないよね」

思わず花奈ちゃんの質問に答えるより先に、私も全く同じことを聞き返す。