花奈 ~15日生きた君へ~


お盆が明け、今住んでいる家へと帰る日。
私はもう1度仏壇の前で花奈に手を合わせた。

花奈、ありがとう。
もし花奈が私の前に現れていなかったら、私は自分の人生を投げ出していたかもしれない。
生きていたとしても、人生に価値や希望を見い出せないでいたかもしれない。
何より、死ぬまでずっと何の罪もない花奈のことを恨み続けていたかもしれない。

現実じゃ会えるはずのなかった花奈が、あんな形で会いに来てくれたから。
私は今生きているし、人生は素晴らしいって思えてるよ。
死にたいなんて思ってない。
長生きしたい。


花奈のおかげでお母さんとも再会できた。
お母さんが自分の非を認めて謝ってくれた。
良平とも再会できたし、今では大切なパートナーになってる。
祖母とも和解できた。

離れてしまった縁を、大切な人との絆を……花奈はもう1度繋ぎ止めて、紡ぎ合わせてくれたんだね。
本当にありがとう。

花奈が生きた15日間のことを思うと、涙がこぼれてしまいそうなほど切なくなる。
だからこそ、私は花奈の分まで強く生きるよ。