花奈 ~15日生きた君へ~


その日から私と良平は付き合い始め、学校でも毎日一緒に過ごした。

夏休みからは進路活動で忙しくなった。
私は地元に就職を希望してて、良平は進学を希望してる。
だから違う道に進むことになるし遠距離恋愛になる。

1人で新たな道に進むことに対し、私は不安を感じてる。
今までは辛いことがあっても、誰かがすぐそばで支えてくれたから。

だけどね、良平がこう言ってくれたんだ。

「俺とずっと一緒にいればいい。それこそが距離なんて飛び越えた最大の支えだろ」

その言葉があるおかげで、私は大丈夫って思える。


花奈がいなくなったことは本当にさみしい。
本当にいなくなっちゃったのかな?って未だに信じられない時がある。
なんていうか、花奈にはまたどっかで会える気がしちゃうんだよね。
病院の中とか良平といる時とかに、ひょっこり現れてくれるんじゃないかなって。

だけどあれ以来、花奈が私たちの前に現れることはなくて。
本当にいなくなっちゃったんだなぁ、もう会えないんだなぁって、最近ようやく受け入れられるようになってきた。


9月下旬、私は地元企業から内定をいただいた。
良平も隣県の専門学校に行くことが決まった。
残りの高校生活もあっという間に終わり、私たちは高校を卒業。
その後は実家を離れ、それぞれの道に進んだ。