花奈 ~15日生きた君へ~


「えっ……ちょっと待って、今?」

良平の胸に抱かれたまま、私は思わずそう尋ねる。

「今?って、今しかないだろ。だって花代これ置いてったじゃん」

すると良平は困惑した様子でそう言い、ズボンのポケットから何かを取り出して私に見せてきた。
それは今朝私が部屋着と一緒に置いてきた「ありがとう」と書いた手紙だった。

「これ、今までありがとうって意味だろ?花代、俺とも縁切るつもりだったんだろ?」

良平の言葉に私は驚いて口を開けた。
それと同時に理解した。
良平が私を追いかけてきて、怒って、子供の頃の話して、告白してきた……その全ての理由を。