そして翌朝。
花奈と過ごした思い出、そして克代さんとお別れする日がやってきた。
早起きした私は借りた部屋着を返そうと、まだ寝ている良平の枕元に部屋着を畳んで置いた。
ただ服だけ置いていくのもどうなんだろうと思った私は、克代さんからメモ用紙をもらい「ありがとう」とだけ書いた置き手紙も添えておいた。
「克代さん……本当にありがとうございました」
「こちらこそ毎日来てくれてありがとう。花奈も嬉しかったと思うよ」
玄関を1歩出たところで別れの言葉を交わす私たち。
克代さんが私の言葉を聞くと、微笑みながら空を仰いで。
「あたしも嬉しかったよ……花代が立派な女性に成長したことを知れて」
そんなことを言ってきたものだから、私の目頭が熱くなった。
「……私もこれからは、お母さんのこと憎まずに生きれそう」
私がそう返すと、克代さんが私の顔を見て笑ってくれた。

