「あ、泣きそうだから下向いてるってこと?」
すると良平はからかうようにそう言って、私の顔を覗き込もうとする。
良平と目が合うのが恥ずかしくなり、私はくるんと後ろを向いた。
「わ、マジで泣きそうなんじゃん!」
良平がからかうように半笑いでそう言う。
本当は目が合うのが気まずいだけだけど、良平がそう思うならそれでいいや。
「すぐ泣くあたり、昔と全然変わんねーな」
やり過ごせたと思って安心したのもつかの間、子供の頃を思い出す言葉をかけてくる良平。
こんな時に限ってそんなこと言われたせいで、変な動悸がしてくる。
「わ、私、帰るから!!」
動揺を隠しきれず、私はそう吐き捨てて走り出す。
「気を付けて帰れよー」
良平がそんな声をかけてくれたけど、背中で受け流した。

