花奈 ~15日生きた君へ~


「明日も来るからね」

日が傾き始めた午後6時過ぎ。
私はそう言い残して花奈の家を後にした。
そのまま駅までの道のりを歩き始めたら、前方から見覚えのある人が歩いてくる。

「花代じゃん」

もちろんそれは良平だった。
良平の顔を見た瞬間、私はついさっき花奈から聞いた話を思い出し、思わず下を向く。

「あ、っ、良平」
「俺、地面じゃなくて正面にいるんだけど」

地面を見たままの私に良平がツッコむ。
いつもなら良平の顔が見れるのに、なぜか今は見れなくて。

「あ、ごめん……」

私は下を向いたまま良平に謝った。