「で、その血見て俺も泣いたの。多分花代より泣いた。こんなに血出たら花代が死ぬ~!って思って」
良平に説明されて、あの時の情景が頭にふわっと浮かんできた。
転んだ瞬間の自分のことしか記憶に残ってなかったけど、言われて思い出した。
そういえば良平も泣いてたなって。
良平が泣いたのって確かにあの時だけだった気がする。
「あの時の傷跡、まだ残ってるよ」
私はスカートの裾を少し捲り上げ、2人にヒザを見せた。
両ヒザのほぼ同じ位置に、不自然に皮膚が盛り上がってる部分がある。
あれから10年以上経つけど消える気配はないから、ずっと残るんだろうなぁ。
「わ~ホントだ」
花奈がそう言い、傷跡に軽く指を触れる。
「よかった、このケガで花代が死ななくて」
良平は真面目な顔してそう言ったから、私は思わず笑ってしまった。

