「だけど花奈って贅沢も愚痴も言わないし、いっつも笑顔だからすごいと思う」

花奈は、そこがすごいところだと思う。
私はそれを良平にも伝えたかった。

「あー確かに、花奈って毎日楽しそうにしてるよな」
「でしょ?もし私が花奈だったらあんなふうになれないと思うから、尊敬してる」
「うん……でもそれは、花代のおかげでもあると思うよ」

私の言葉に、良平はうなずいてから少し間を置いてそんなことを言い出した。

「私のおかげ?」
「うん。花代と友達になってから、明らかに笑顔でいる時間が増えた気がする」
「そうなの?」
「うん」

驚いている私に、良平はそう教えてくれた。
私はいつも花奈に元気づけてもらってばっかで、何も返せてないなって思ってた。
だけど花奈も私と出会ったことで、前より笑顔が増えてたんだ!
こんな私でもちゃんとお返しできてたんだ!
そうだと分かって私はとても嬉しくなった。