「私ね、花奈と出会ってから、前よりも小さなことで幸せを感じられるようになった」

夜空の星を眺めながら、私は良平にそう切り出す。

「そうなの?」
「うん。私が当たり前だと思ってることが、できない人もいるって知ったから」

私は思ったことをそのまま言った。
私は毎日学校に行けるし遠くに出かけることもできる。
だけどそれができない花奈と出会ったことで、私の悩みはちっぽけだし自分は恵まれてるなって思った。

「確かにそうだよな。花奈は学校も行けないもんな。俺がそうだったら辛いな」

良平も私と同じ考えだったみたいで共感してくれた。