そして、それに追い打ちをかけるような出来事がもう1つ起こった。
8月に入って間もなく、大斗が別れてほしいって言い出した。
私は「別れたくない」って泣いてすがったけど、どれだけ気持ちを伝えても大斗の意志は揺るがなかった。
「じゃあ、別れたいと思った理由を教えて」
理由を聞いたら納得できるかもって思って、私は大斗にそう尋ねた。
「花代は何言ってんのって思うかもしれないけど……オレ、自分に自信をなくしたの。花代にはもっといい人がいると思う」
そしたら大斗はそうとだけ言った。
大斗の言う通り、私にはサッパリ理解できない理由だった。

