花奈や良平とそんな話をして、笑っていたのもつかの間。
あっという間に数ヶ月が過ぎ、私たちは受験シーズンに突入。
定期テストの点数を1点でも多くとろう、順位を1つでも上げようと、みんなが必死になって勉強を始めた。
当然、私たちもその波に乗った。
それにより、私は一時的に花奈の家に遊びに行く余裕がなくなった。
遊びに行けない期間は電話で近況報告したり、良平を通して色々伝え合ったりした。

「合格したら、受験シーズンの分も取り返すくらい遊びに行くからね!」

私は花奈にそう約束した。

受験本番が近づいてくると、面接練習も始まった。
私は面接が本当に苦手だった。
特に、自分の性格について話すのが難しかった。
短所ならたくさん出てくるけど、長所は1つも出てこないから。
普通に会話してても言葉に詰まるような私にとって、面接自体かなり苦痛だし。

だけど良平が「絶対一緒に受かるぞ!」って言って、勉強はもちろん私の面接練習にも付き合ってくれた。
客観的に見た私の長所を教えてくれたりして、すごく助かった。

そんな感じで順調に対策が進んでたんだけど、途中で大斗から残念な報告を受けた。
私たちは3人で商業に行きたいねって話してたんだけど、大斗は事情があって別の高校を受けることになったんだって。
すごくさみしいことだけど仕方ないし、たとえ別の学校に行ったとしても大斗への気持ちは変わらない。
だから気持ちを切り替えて「第一志望校に合格しようね!」ってお互いにエールを送り合った。