そのまま順調に中学校生活を過ごし、私たちはあっという間に中3になった。
中3の夏休み明けから、私たちは高校受験に向けた活動で忙しくなってきた。
大斗や良平との会話にも変化が出てきて、定期テストどうだった?とか、志望校どこにする?とか、そういう真面目な話をすることが多くなった。
そうして夏休みが明け、約2週間が経った9月のある日。
私は良平と一緒に花奈の家に遊びに行った。
遊びにっていうか、花奈の家で一緒に勉強することになった。
大斗も誘ったんだけど、塾があるから来れないって言ってた。
「さ、始めよっか」
花奈の家に上がり、リビングのテーブルに向かい合って座った私と良平。
花奈も見守る中、すぐに参考書を広げ勉強を始めた。
「へぇ~、2人ともこんな意味分かんない暗号みたいなの習ってんの?すご~い」
花奈は、私がやってる数学の参考書を覗き込みながらそう言う。
「大丈夫、私も意味分かんないから」
「俺も分かんねーよ」
そんな話をして3人で笑い合う。

