佑典Side

今日は転校生が来るらしい。
「女だって。可愛い子がいいなぁ~。」
朝から垂らし発言しているコイツは、ダチの皆倉夢【みなくらゆめ】。
まぁ、さっきの発言から分かると思うが相当の女垂らしだ。
ちなみに俺の名前は、神崎祐典【かんざきゆうすけ】。
ハッキリ言うと女は大嫌いだ。
パンダ並のメイクにスカンク並の香水。
マジ、吐き気と鼻が腐っちまう。
また女か…。と思いながら担任の話を聞く。
そして、入ってきたのは美少女。
夢は、「愛可い~。今日の放課後遊ばなぁい?。」と絶賛ナンパ中だ。
女は天宮凛空と名乗る。
大きくてパッチリした二重の瞳。
ぷっくりしていてさくらんぼ色の唇。
きめ細かく純白の肌。ヤバイ。香水もほのかに香って、ナチュラルメイクの女はすごく綺麗だ。
一目惚れだ。気付いたら、HRは終っていて俺の隣に女は座っていた。
女は俺の名を見たとたん一つ深呼吸をして、前を向いた。
「おい。天宮!よろしくな。」
俺の話をヨユーで聞き逃していく女。
「ボソどうしよ、しょうがない、ここはブリッコの真似をしよう。」
ふーん。聞こえちゃったもんね。
「ブリッコの真似は無しだぞ。」
俺がそう言うと、女はこっちを向いた。
驚いている。のも、つかの間。
「分かったわ。よろしくね、鈴魁の総長さん。」
俺も驚いた。そう、俺は世界区ランク5位の暴走族〖鈴魁〗«リンカイ»の総長なんだ。
ここは全国トップの学力の高校だから、裏の人間がいるのはおかしいんだ。
まぁ、俺は総長をやれる資格が無いから。