飛行場で最新の鉱物探査装置を
搭載したヘリコプターに乗り込む
地質調査会社エフコンの調査員、
福路恭介(32歳)。
 ヘリコプターは山間部を一定の
速度と高度で飛び、胴体に取り付
けられた鉱物センサーで地中の鉱
脈を捉え、機内のモニタに立体的
な映像として映し出した。
 しばらく飛んで結果に満足した
恭介は、パイロットに調査が終
わったことを告げた。
 ヘリコプターは速度を上げ飛行
場に向かった。
 飛行場に帰る途中、恭介は眼下
の街並みをボーっと見ていた。
 しばらくすると前方の街外れに
丸くぽっこりとした小山が見えて
来た。
 恭介は地形的に不自然な小山に
興味がわき、鉱物探査装置のス
イッチを入れた。
 ヘリコプターが小山の上空を通
過すると、モニタに鉱脈とは違う
映像がチラッと映った。
 恭介はパイロットに小山を旋回
するよう頼んだ。
 映し出されていく映像は、巨大
な骨のように見えた。
 恭介は恐竜の骨の化石が埋まっ
ていると確信し、大発見をした気
分で興奮した。