『君と僕が同じだったら良いけれどね』







「それじゃ君はどこから来たの」







ここは屋上だ。











ドア付近に現れたならまだしも。










ドアとは反対方向に現れた彼が普通の人間だなんて私には到底思えない。










気づいたら私よりも何かを知っているんじゃないかって少し怖くなる。









というか、どうしてこんな美形な彼が学校で騒がれていないのが不思議でならない。








肌も白いし、少しふわふわしたその茶色い髪は地毛っぽかった。









『僕ね、何も知らないんだ。
この世界のこと、だから僕に教えてくれない?』




これはなに?とまず指をさしたのは花壇の花だった。



は?




高校生にもなってこんな事も知らないのか。








幼少期、彼は何をしていたのか。










流石に年長さんでもわかる。










でも、彼はそれすらも知らない。








よく高校に入れたものだ。







「花だよ。そんなのも知らないの」







『本当にわからないんだ』








この青いのはなに?










その指は上をさしていた。




本当にどこから来たんだ。










「空…」






『空か』








空っていうのは青くて綺麗なんだね。








初めてみたよ、そうやって歯にかんで笑う彼を見るとこんなのも知らないの、と思っていた自分が嫌になった。







確かに、こんなのも知らないなんてという気持ちもあったけれど







こんなに興味津々で、空は青いんだって言っているワクワクしている顔は小さい頃の私を思い出させる。






小さい頃は純粋だった。







何に関しても興味津々だった。





そう、今の彼みたいだった。







『それじゃあ、これはなに?』








屋上だとグラウンドに見える緑のものが小さく見えた。





でも、彼が何をさしているかは何故か私にはわかった。