もちろん両想いの2人も、ケンタくんにアタックする美月も、

すべて部長のガイが考えたストーリー。


“偽物の恋”


の、はずなのに。


「サイトウさん、ほんとにケンタくんが好きなんじゃない…?」


「…やっぱ?結衣もやっぱそう思う?」


「…うん」


「そっかぁ…そうだよねー…ほんとに好きなんだぁ…」


美月は、青く晴れ渡った空を見上げた。


「美月?どした?」


さっきまで怒っていた美月の横顔が、穏やかになっていた。


「なんかさぁ…うらやましくなった」


「…ん?」