「結衣、行くよ!早く!」


「あ、うん!」


ナオと私は、修太とチャンくんについて、急いで食堂へ走った。


食堂に入ると、ザワザワと生徒が人だかりを作っていた。


「美月?」


人だかりの中に美月の姿を見つけた途端、


バチーンッと激しい音が食堂中に響いた。


美月が、サイトウ ランさんのキツいビンタを受けたところだ。


「痛ったぁ~、なにすんのよ!」


美月は左頬を押さえながら、自分もサイトウさんに向かって手を上げた。


サイトウさんはものすごい剣幕で美月を睨みつけて、怒鳴った。


「あんたが悪いんでしょ!!
ケンタに近寄らないでよ!!」


「はぁ?なに言ってんの?信じらんない!」



二人は周りが止めに入る隙を与えないほど、緊迫した空気を出している。