「…なんだよ」


キレイな横顔に見とれる私に藤沢タクが聞いた。
目は閉じたままだった。



「私、1年の吉田結衣って言うんですけど…」


「知ってる」


良かった、覚えてたんだ…


「やらないから」


「えっ?」


「実験。…ガイに言われて説得に来たんだろ?」


「……」


「…出てけよ」


抑揚のない声でそう言うと、背中を向けてしまった。


…やっぱり、怖い!冷たい!
さっき、キュンとしたのは取消!


会うのは二度目だから、ちょっとは話してくれるかと思っていたら…


とんでもない!


私は黙って廊下に出て保健室のドアを閉めた。