恋愛クラブ

「会ったって言ってもほんの少し見ただけ…」


何気なく廊下の方へ目をやった。

ちょうど、ズボンのポケットに手を入れて歩く男子の姿が見えた。



「……!!」


「結衣…?どした?」


「ちょっとごめん!!」


「結衣!?」


私は二人の方も見ずに教室を飛び出した。



「なに、結衣いまの男の人追っかけた?」

「あの人、超カッコ良くなかった!?」

「…もしかして!?」


教室のドアを出るとき、美月とナオの驚く声が聞こえた。



私が廊下に出ると、その人は角を曲がってしまった。


急いで後を追いかける。