ガイはゆっくりと私に向かって歩き、目の前に立った。


「結衣さん、このテーマが少し難しいのはわかる。初めてだから不安なのもわかっているつもりだ」


「……」


「でもねぇ、君にしかできないんだ。あいつの相手は…」


「あいつって藤沢って人のことですか?」


「あぁ」


「なんで私なんですか?実験に参加したい人は他にたくさんいます!」


「理由はまだ話せない。でも、君じゃなきゃ意味がないんだ。それに、これは“部長命令”だ」


そう言うとガイは規則が書かれた壁を指差した。


「でもっ…」



私が反論しようとしたその時、
部長の扉が開く音がした。