彼女となら、
電話をして、メールもして、
いつもの「おやすみ」の後にハートマークなんか付いちゃって。


休みの日にはデートして。
手をつないで彼女の名前を呼ぶの。



「結衣!」



そう、結衣って。 
ん?今なんて?



「こら結衣!聞いてた?」



「ご、ごめん。妄想してた」



美月の声にハッとした。今明らかに藤沢タクの横にいたのは私だった。


無意識のうちに、藤沢タクを独り占めするのは自分であってほしいと願っていた。