恋愛クラブ

心なしか今の藤沢タクも表情が優しい。


…いつもこんな風に笑っていればいいのに。


そのほうがより一段とかっこいい。


「そういうあんたは何だったんだ?」


「…?なにが…?」


「他に何か用があったんじゃないのか?」


他に用?
なんだっけ…


そういえばなぜ堤防を自転車で走ってたんだっけ。


「…あっ!!忘れてた!!」


藤沢タクに言われるまでずっと忘れてた!


「参考書買いに行くんだった!」


「…本気で忘れてたわけ?」


「あ…うん、そうです…」


藤沢タクの冷ややかな視線。