まだドキドキが治まらない。



藤沢タクが受け止めてくれた時…


思い出すだけで鼓動が早くなる。



あの時の藤沢タクの息づかいとか、声、匂い、そして吸い込まれそうなほどキレイな黒い瞳。



あんなに近くで男の人を見ることなんて初めてで、
恥ずかしくて思わず逃げた。




「結衣ー?タク様となんかあった?」


「えぇ!?」



美月のタイミングが良すぎて、声が裏返ってしまった。



「昨日のメールの返事も一言だったしー」


「あぁ、あれは…本当に疲れてただけで」