「あのぅ…」



俺が塀を越えたあと、後ろを振り向くと吉田結衣が顔を出して覗いていた。



「早く飛べよ」



なぜか躊躇する吉田結衣。
…なんか、違和感。



「お前、身長いくつ?」


「…153センチ…デス」


「低っ!」



…思わず突っ込んでしまった。ほんと調子狂う!



「だから飛び越えられないんです!塀が高すぎて!」


「じゃあ一度塀の上に乗れよ。乗ったら後はこっちに飛び降りるだけだろ」



納得したのか吉田結衣はなんとか腕の力で塀によじ登った。



…スカートだってことわかってんのか、コイツ。