「ほら、ここ」



校門の手前の路地を少し入って掴んでた手を離した。



「…なんですか?」


「ここから入るんだよ!怒られたくないんだろ?」



いちいち鈍いヤツ。
キョトンとしたまま反応無し。



学校の周りは2メートル近い塀で囲まれているが、この場所にはいつも緑色の大きなゴミ箱が置いてある。



内側は校舎のそばでなかなか先生には見つかりにくいから、遅刻した時にここから入ることがある。



「俺が先に入るから」


「あっ…」



ごみ箱に乗って一気に塀を越えた。