「で、なんでこんなとこで怪しい行動してんだよ」


「だって…コワくて…」


「……」



ハァ…マジで呆れた。
コワいって…ただのセンコーだろ。



時計を見た吉田結衣の目に、みるみるうちに涙がたまって行くのがわかった。



「どうしよう…」



なんで女はこうもすぐ泣くんだよ!



「おい、行くぞ!」



俺は吉田結衣の手首を掴んで引っ張った。


ったく!世話の焼けるヤツ。


面倒くさいのにこういうヤツをほっとけない自分にも嫌気がさす。



…もう誰とも関わりたくなかったのに。