――どうしよう。
藤沢タクは黙って歩き出してしまった。


慌てて後ろから付いて歩く。


セレブな生徒を迎えに来た高級車の横を足早に過ぎる。


校門から真っ直ぐ続く並木道が、いつもより長く感じた。


相変わらず藤沢タクは無口で。


早足について行こうとして、
息が上がってきた。


「…おい」

「ぅわっ!」


急に立ち止まった藤沢タクの背中にぶつかりそうになって、
ひとりであたふた。


「真後ろすぎ」

「え…あっ、ごめんなさい」


ついて行くことに集中して、
ピッタリと真後ろを歩いていた私。