『はい!お聴き頂いた曲は、「陽の光」でした!

やっぱりこの歌、こういう爽やかに晴れた日に歌いたくなるんだよなー!』


彼はこの曲以降も、何度も私を題材にした曲を作ってくれた。

そのどれにも登場する「君」と呼ばれる私は、いつも眩しいくらいに美しく描かれていた。


信じられない噓みたいな姿だけれど、「君」と呼ばれる人に不思議と違和感はなかった。

確かに私も持っている彼との想い出の中に「君」がいるからだろうと思った。


彼の曲の中に生きる私のことを、大好きになれた。

だから、現実に生きる私のことも少しは好きになれた。


『毎日書きおろすって言ってたのに、2日目にして既に出来てる曲を歌ってしまったなー!

許してー!優梨花ー!』


それは薄々気づいていた。

締まりきらないところが彼らしい。


でも私はあなたの声が聴けるなら、何だって嬉しいの。