For You 〜 天使だった君に 最高のお返しを

曲は優しい曲調のまま、でも大きく盛り上がって広がって終わった。


『……はい、ね。これ、照れるな。ダメだわ、ほんと。


気付いたと思うけど、「生きてゆける」。

俺、死んでるのにな。びっくりしたでしょ。
 
うん、優梨花のことだから、気付いてくれていると思う。



これの意味を説明するとな。

俺はな、優梨花が笑顔で生きてくれないと、天国……行けるかな?行けるよな?

まあ、いいや。あの世からじゃどうすることもできないから、辛いんだよ。


だから、優梨花がつらくても、気合いで俺のために笑ってください。
 

……というのは、冗談で。

この録音機を聴いてください。

少しでも、優梨花の笑顔の助けになれば嬉しいです。


いっぱい笑ってな』


私がただ笑うだけであなたの助けになるのなら、私この録音たちと一緒に頑張って生きていくよ、あなたの分も。

たくさん笑って幸せになるよ。



『あと、言うの忘れてた。

この録音は、一日一つずつ再生してください。

間違って、次のやつ再生しちゃうなよ。


ああ、そうだ。
 
それから、毎回朝に聴いてください。基本ね。

それで、一日頑張ってくれると嬉しいな。


優梨花、朝弱いからなー。寝坊しそうだなー』



これ聴くためだったらちゃんと起きられるもん。

早起きになれるよ。


だって、あなたに会える日は嬉しくていっつも早起きしてたんだから。

百パーセントではないけれど。


あなたがいて私の横で寝てるときは、温かくって安心してとっても寝ちゃうんだ。

だから寝ぼすけなイメージを持ってるだけだよ。