曖昧な、人気者


学級委員長の号令で挨拶したあとはもう、本当に生徒だけの時間。


勿論、部活がある人は別だけれど。




「……あっ。晴っ」


女の子の声が上がった方を見ると、彼は既に席を立っていて、教室の扉を開けていた。


「じゃーね。また来週」


そう言ってふわりと笑った彼に、私はまた、胸が高鳴った。