曖昧な、人気者


まあ確かに、予想はしていたけれど、……何だろうこの空間。


最後のHRも終わり、周りが写真を撮り合っている中、入れ替わり立ち替わり教室を訪れる女の子達。

彼女達の目指す場所は何を隠そう、晴慶の所。


告白したり写真を頼んだり、その人数を見ると軽く目眩が起こりそうだ。


見てて良い気分になるものではなく、その光景を視界に入れないようにしながら、数少ない友人達と写真を撮っていたが、

数が少ないのだから、写真なんてすぐに撮り終わる。


そもそも、眼鏡+マスクをしている私と撮っても楽しいのだろうか、とも思うが、

結局3年間し続けたそれらは、最早周りから見れば、私の顔の一部だと思われているのかもしれない。

昼休みにお弁当を食べる時でさえ、別館の和室で寂しく食べていた私(偶に晴慶もいたけれど)。

表彰されても良いのではないか、と思う位には徹底していた。