曖昧な、人気者



「もう!本当、煩い!……馬鹿!」


言葉と表情があっていない美琴に、また笑いが出る。

「大体、お前の方が珍しかっただろ。教室で俺に話しかけてくるなんて」


「……どこかの馬鹿が、腕なんて組まれているから」

「へえ、ヤキモチ?」


顔を赤く染めながら言う姿を見て、内心可愛いと思いながらもからかう。


……どうせ素直に認めないだろう。


そう思っていると、



「……そうだよ」


呟くように言ったその言葉に、思わず息が止まる。