校門の前に停まってあった車に乗り込む。 「お帰りなさい、お嬢様」 「ただいま、松方さん。お待たせして、ごめんなさいね」 「いいえ。お嬢様が急いで来て下さったので、殆ど待っておりません」 全く、と言えば逆に私が気遣うと知っての言葉に、流石だな、と思う。