初恋は甘く、苦く。

だけど、私は、聞き逃さなかった

先輩が私のことを「藍」と呼んでいたことを。

嬉しくて、本当に嬉しくて

舞い上がりそうだった。

「せ、せんぱぁい??」

にやけを抑えて私は先輩に話しかけた。

が、帰ってくる返事はない。

ここまでくると、本当に悲しくなってくる
さっきまで有頂天だった心が一気に暗くなった。


先輩が怒っている。不機嫌だ。多分というか、確実に
先輩の怒りの原因は私にあるのに、
当の本人はその原因を理解できていない。