あの時はライバル宣言されていたわけだし、そのまま二人でルーをもらいに行くのは私も耐え難かったから、望未ちゃんが悪いと安易には口に出来ない。
「冬穂、何かされてない?」
灯は不安そうにそう尋ねた。
目の前で灯に異常なくらいくっつかれたり、ひどい態度を取られたりすることは、今日だけでも何度かあった。
例えば、カレーを食べる時に、私のカレーだけよそってくれなかったとか。
午後から行った、班ごとに山を散策するスタンプラリーで、荷物を持たされたり、足をかけられて膝にすり傷が出来たりしたとか。
それなりの嫌がらせは受けているが、全て灯に気づかれないようにされたことだ。
カレーをよそってくれなかった時、灯と小日向くんはテーブルを拭いて食事の準備をしていたため、望未ちゃんではなく私が最後の一皿をよそっていたことを知らない。
持たされた荷物も少量だったし、二人は私と望未ちゃんの前を歩いていたため、足をかけられた瞬間を見ていないし、望未ちゃんが転んだ私に手を差し伸べたため、こかされた状況にするのは無理があった。
それに正直、嫌がらせの程度も高が知れている。


