みんな、愛し方を忘れてる。



「私、絶対灯のこと奪ってみせるから。覚悟しておいてね」

そう宣言すると、望未ちゃんは私に近づいて、

「じゃあ、むさ苦しいし、私は帰るから。カレーのルー、よろしく」

と言って、来た道を戻って行った。

私は呆然として、消えていく望未ちゃんの背中を見つめる。
だけど、すぐにガサガサと近くの草が揺れる音がして、私はそちらに目を向けた。


「おおっと・・・よう」
「岡本、先生?」

そこには、レジ袋を一つ提げた圭汰がいた。

こんな時に、一番会いたくない人と遭遇してしまうなんて、ついていない。

「どうしてそんな所にいるんですか?・・・もしかして、私達の話を」
「いや、聞く気はなかった。通りすがりに、たまたま聞こえてきて」

私が怪訝に眉を寄せると、圭汰は慌てて言い訳をする。

「だから、隠れて盗み聞きを?」