みんな、愛し方を忘れてる。



たかがカレーのルーをもらいに行くのに二人も必要ないのだけれど、女子とは不思議なもので、それが当たり前なのだ。

私は、手元にある切りかけの人参をチラッと見た後、

「いや、駄目じゃないけど・・・小日向くん、今切ってる人参、頼めるかな?」

と言って、目の前にいる灯を飛び越して、小日向くんを見た。

「あー、うん。いいよ」
「ちょっと、冬穂。何故俺に頼まない?」
「ともになんて、頼めないでしょ」
「ひどい・・・」

差別だなんだと呟く灯を無視して、私と望未ちゃんはルーをもらいに、ここから少し遠い、教師たちがいるコテージへと向かった。



「・・・楽しいね!林間学校って」

コテージまで行く道は人気も少なく、喋らないと何か気まずくて、こういうのも望未ちゃんも苦手だけど、私は笑顔を作り、話を振った。