みんな、愛し方を忘れてる。



灯のおかげで、山登りの疲れが少し取れた気がする。

悩み事、辛い気持ちは中々取れないけれど、せめて林間学校の間は、全部忘れて楽しみたいな、と思いながら、緑の澄んだ空気を吸った。



「灯、この玉ねぎ何?」
「何って?」
「切れてねえじゃん」

小日向くんが、まな板に置いてある細切りになった玉ねぎを一つつまみ上げると、いくつかの玉ねぎも連なって上がった。

「・・切ったもん」
「切れてねえだろ」

灯は拗ねたように口を尖らせたが、小日向くんにツッコまれる。


今、私達は昼食として食べるカレーを作っている。